早生まれの子の親は損?

扶養控除のカウントにズレ


 早生まれの子を持つ親は、税金で若干損をする可能性があるのをご存じだろうか。所得から一定額を差し引ける扶養控除の仕組みが、1〜3月に生まれた人には不利なものとなっているためだ。

 

 扶養控除は16歳以上の人を扶養している家族が、所得から38万円を差し引ける制度。16歳以上か否かは12月31日時点の年齢で判定する。問題は同じ学年でも12月31日時点の年齢はふたつに分かれることだ。高校1年生の段階で12月31日までに16歳になって扶養控除の要件を満たすのは、遅生まれの生徒に限られる。

 

 ただし1月1日生まれの人は、早生まれではあるが扶養控除の対象となる。というのも、民法の規定により、年齢が一つ増える時刻は誕生日の0時ではなく、誕生日前日の24時とされているためだ。1月1日生まれなら12月31日の24時の時点で16歳になり、控除対象となる。

 

 扶養控除制度には、19歳以上23歳未満の子がいる人に対し、通常より多い63万円を差し引ける特例が設けられている。大学の授業料など多額の教育費支出が必要になる親の負担を軽減するためのものだ。この特別控除も早生まれの子の親は適用まで1年待たされることになる。

 

 さらに、早生まれは控除できる時期が1年遅れるだけではなく、トータルの控除額が減るおそれもある。子どもが学校を卒業して一定の給与を受けると、所得制限によって扶養親族から外れてしまうためだ。そうなると、1年遅れで親が適用できるはずだった所得控除を使えなくないということになる。(2019/01/11)