必要経費分を所得控除

使い勝手が悪い特定支出控除


 サラリーマンなどの個人が通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、図書費、衣服費、交際費といった費用(特定支出)を支払ったときは、それらはいわば必要経費と税務上で判断され、所得から控除できる。

 

 ただし、その年の特定支出の額が給与所得控除額の2分の1を超えるときに限られ、その超えた金額を所得から控除することになる。年収800万円なら給与所得控除額は200万円となるが、その2分の1である100万円を特定支出額が超えなければならない。また、職務で必要な費用であることを会社が証明しなければ控除できず、手間が掛かるため、使い勝手の悪い制度としてあまり使われていないのが実情だ。

 

 なお、図書、衣服、交際のための費用は、いくら支払っても65万円までの支出しか特定支出控除に含まれない。(2016/12/01)