平均課税で負担軽減

毎年の所得変動が大きい漁師など


 自然を相手にしている漁師は毎年の所得にバラつきが出てしまう。漁師のように「変動所得」がある人は、税負担を軽減するために「平均課税」を利用できる。

 

 所得税は、所得が一定の額を超えるとその部分ごとに高い税率が掛けられる仕組み(超過累進税率)であるため、2年連続で所得が900万円だった人より、最初の年は1800万円で次の年はゼロ円だった人の方が、合計所得額は同じでも適用税率の差によって納める税額が多くなる。

 

 こうした税負担のアンバランスを是正する措置が平均課税で、数年分の平均所得額に所得税が課税される。平均課税が利用できる所得は、漁獲、海苔の採取、牡蠣やウナギ、真珠貝の養殖で得た所得、また原稿執筆、作曲の報酬や著作権使用料に掛かる所得(変動所得)だ。

 

 これに加え、契約金、不動産の権利金、公害保証金のように臨時に受け取った所得(臨時所得)があるときも適用対象になる。利用には条件があり、過去2年間に変動所得または臨時所得があるとき、変動所得・臨時所得の額がその年の総所得額の20%以上でなければならない。(2016/10/27)