売却予定の土地を相続

契約の前か後かで税負担に違い


 相続財産の大部分を占める「土地」は、原則的に相続税路線価と呼ばれるものをもとに、資産としての価値を評価される。

 

 相続税路線価は、国土交通省が毎年発表する公示地価などを基に導き出された、いわば相続税の評価専用の査定額だ。

 

 相場としては公示地価の8割程度といわれ、その公示地価も実勢価格よりは低くなる傾向にあるので、土地に付けられる相続財産としての評価額は実際の売却価格に比べれば相当低くなると言っていいだろう。

 

 しかし原則には例外がつきものだ。土地の評価についても、相続人の税負担が大きく増加しかねない例外規定が設けられている。

 

 相続が発生した時点、つまり土地の所有者が亡くなった時点で土地の売却がすでに決まっているケースでは、契約上の売却金額に従って評価するというルールがある。土地ではなく、土地の売却金額を請求する権利を相続するとみなされてしまうためだ。

 

 契約が成立してから実際に金銭の授受が行われるまでの間に、もし相続が発生してしまうと、思わぬ税負担が発生するリスクがあることを、頭の片隅にとどめておいて損はないだろう。(2020/08/24)