「坊主丸儲け」とはいかない

収益事業には法人税課税


 お寺などの宗教法人はお布施などの〝収益〞に法人税が課税されないことから、一般企業を経営している社長さんの目には文字通り「坊主丸儲け」のように映る。

 

 だが、お寺に全く法人税が課税されないというわけではない。例えば「〇〇寺」と書かれたキーホルダーや絵葉書を販売して得た利益は課税対象になる。課税と非課税の線引きは、「宗教活動に伴う収益か否か」という点だ。

 

 キーホルダーや絵葉書、写真帳、カレンダー、メダル、ペナントなどの販売は、宗教法人ではない組織でも行っているものであり、通常の価格での販売であれば宗教活動とはみなされず、利益に法人税が課税される。

 

 一方、お寺がお守り、お札、おみくじを販売するのは、売買利潤を得るためではなく、宗教団体として喜捨金を受け取るのと同じ行為とみなされ、法人税の対象にならない。宗教法人に法人税が課税される「収益事業」には、物品販売業のほかに不動産販売業、金銭貸付業など合計で34の事業がある。

 

 境内の土地を月極め駐車場として貸し出したり、一定額以上の宿泊料を徴収して寺の一室を使わせたりすれば法人税を納めなければならない。税金面で言えば「坊主丸儲け」とはいかないようだ。(2018/01/19)