土地譲渡で最大1千万円の特別控除

適用漏れに注意


 2009〜10年に取得した土地を譲渡したときには特別に1千万円まで控除されるという、極めてありがたい制度がある。これは、08年9月に発生したリーマンショックによる国内の不動産市場の低迷に対し、需要を喚起して土地取引の活性化を税制面からバックアップするために09年度の税制改正で導入されたもの。ただ、「そんな制度があったとしても、自分には関係ない」と思う読者も多いだろう。しかし実際には、この特例については相当数の適用漏れがあるとみられている。万が一、自分や知人が持っていることもありえる。覚えておいて損はない。

 

 この特別控除制度は、法人でも個人でも利用が可能だ。09年1月1日から同年12月31日までに取得した国内にある土地や土地の上の権利を15年1月1日以後に譲渡した場合、または10年1月1日から同年12月31日に取得したものを16年1月1日以後に譲渡したときに、1千万円を上限として控除することができるというものだ。届出義務はなく、09年から10年に取得したという事実だけで適用が受けられる。なお、個人も法人も身内や関係者から取得したものは適用外だが、譲渡する相手についての要件はない。夫婦でも子どもでも構わない。適用にあたっては、譲渡した土地等が09〜10年に取得したものであることを明らかにする書類を添付しなければならない。

 

 この特例は所有期間が5年を経過すれば、それ以降の譲渡は何十年経っていても適用されるため、適用漏れの可能性が非常に高くなっている。(2018/12/21)