会社への貸付金

受取利息の申告はするべきか?


 同族会社の株主である経営者が会社に対して資金を貸し付けていることはよくあるが、こうした際にも必ず利息は受け取るようにしたい。もちろん、役員は利益目的で貸しているわけではないので、無利息であっても基本的には違反ではない。だが、これが個人の所得税を不当に減額させるためのものと判断されると、同族会社の行為計算の否認の規定が適用され、課税関係が生じることになる。

 

 そこで、痛くもない腹を探られるのも面白くないので、会社からいくらかの利息を受け取ることにする。その際、注意したいのは申告に関することだ。一般的に「利子所得」は申告不要と思われがちだが、それは銀行預金などの利子については受け取る際にあらかじめ源泉分離課税として差し引かれているため。

 

 自分の会社に貸し付けた金の利息を受け取る場合には総合課税の対象となり、確定申告が必要となる。なお、このほかにも申告が必要となる利子は、国外の銀行に預けた預金の利子、国外発行・国外払いの民間国外債および外国債の利子につき国内における支払いの取扱者による源泉徴収が行われないもの、国外一般公社債等の利子で国内における支払いの取扱者による源泉徴収が行われないもの、一般公社債等の利子でその支払をした法人が同族法人である場合の判定の基礎となる一定の株主が支払いを受けるもの――などが挙げられる。この際、確定申告が不要な給与所得者で、外国口座の利子とその他の給料以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要となる。(2019/02/20)