事業所内に保育施設設置

割増償却税制でサポート


 子育てと仕事の両立が困難なために離職せざるを得ない従業員を引き留めるため、事業所内に保育施設を設置するケースが大手企業を中心に増えている。

 

 こうした企業に対してサポートを行う支援税制が2018年3月31日まで設けられている。適用を受ければ施設の減価償却資産が「割増償却」できる。適用を希望する企業は次世代育成支援対策推進法に基づく計画目標を達成した後に申請し、厚生労働大臣の認定(くるみんマーク)を受けなければならない。

 

 対象の資産は保育施設のほか、遊戯具、一定の防犯設備、授乳コーナー、女性用休憩室、男女別更衣室など。くるみん認定企業の割増償却率は、その資産が建物や建物付属設備なら32%(社員100人超の会社は24%)、車両・運搬具や器具・備品なら24%(同18%)。くるみん認定を受けた事業年度に割増償却できる。

 

 さらに、くるみん認定企業より高い水準の取り組みをして〝プラチナくるみん〞の認定を受けると、建物等で15%、車両等で12%、3年間割増しで償却できる。例えば毎年100万円ずつ償却する資産(建物付属設備)なら、3年間は115万円償却できる。

 

 実際に保育施設を設置すると、出産を理由に退職する従業員が減り、復職率も高まるという。また、保育施設がある企業としてイメージアップにもつながる。ただし割増償却は途中で打ち切られるため、経営に余裕がないと保育施設が成り立たなくなる恐れもあるので注意したい。2018年度の税制改正にあたっては、税制優遇措置をさらに拡充するよう関係省庁から要望が出されている。(2018/01/25)