コロナ禍で生命保険はどうなる

災害時同様の支払いルールで安心


 新型コロナウイルスの感染拡大は、まさに2011年の東日本大震災以来の〝天災〞といえる。がんや心臓病などへの備えとして生命保険に加入している人は多いだろうが、まさか新型コロナのような感染症を想定していた人は少ないだろう。

 

 保険会社にとってもそれは同じ。世界規模の感染症は保険料にも織り込んでいなかったはずだ。では、新型コロナによる死亡にも、ちゃんと保険金は支払われるのだろうか。

 

 東日本大震災では、保険会社各社は災害免責要項を適用せず、例外として保険金の支払いに応じる姿勢を打ち出した。新型コロナウイルスでも、日本生命、第一生命、明治安田生命、大同生命など保険各社はすでに、死亡保険金を支払うことに加え、不慮の事故での死亡時に保険金が上乗せされる「災害割増特約」の対象にも含めることを発表している。

 

 約款には新型ウイルスに関する規定はないが、特例として適用することを決めた。日本生命では別の特約も含め、約260万件が新型ウイルスの特例の対象になるという。またかんぽ生命では、終身保険などで2倍の保険金を支払う規定を、新型コロナウイルスにも適用することを発表している。

 

 世界規模の感染症の流行リスクがこうして顕在化したことで、今後はさらに医療保険や死亡保険へのニーズが高まるものと予想される。ライフネット生命は、今年4月の新規契約件数が前年同月比で198%に伸びたことを発表している。(2020/07/27)