カジノで勝ったときの税負担

一時所得扱いに


 国内へのカジノ設置を巡る議論が数年続いている。コロナ禍でいったんはストップしているが、インバウンド需要を当て込んだ経済活性化の策として、国内初のカジノリゾートが誕生する日も、そう遠くはないかもしれない。もしカジノで大当たりし、一晩で億万長者になったとしたら、税金はどうなるのだろうか。

 

 この点については、国会で国税庁の課税部長が「現時点で確たることは申し上げられないが、一般論でいうと、一時的、偶発的な所得と考えられることから、一時所得となり課税の対象となります」と答弁している。つまり宝くじの当選金のように非課税とはならず、競馬の当たり馬券と同様に所得税の対象となるということだ。

 

 一時所得はその名のとおり、営利を目的とせず、継続性もない一時的な臨時収入を指す。収入を得るための労務があったわけでもないので、そのためにかかった経費と認められる範囲は他の所得よりも少なく、「収入を得るために直接要した金額」しか控除できない。

 

 税金がかかるのは収入から50万円を差し引いた残りの半額なので、例えば他の収入がまったくなく、1万円分のチップを元手に1億円を儲けたなら、課税所得は「(1億円- 1万円-50万円)÷2=4974万5千円」となり、所得税の最高税率45%と10%の住民税を課されることになる。(2020/12/07)