20冊セット販売の全巻書籍

一括損金にできないことも


 会社が百科事典を購入したときは、税務上は原則、減価償却資産の備品として処理する(法定耐用年数5年)。ただし、使用期間が1年未満のもの、もしくは1冊の取得価額が10万円未満のものは、その全額を初年度の必要経費に算入してよいことになっている。

 

 そのため、書籍を購入したときにはその全額を必要経費として処理することがほとんどとなる。ただし、専門的な百科全書のように、「1セット(1組)」単位で販売されているものは、セットの価格で判断することに注意しなければならない。

 

 例えば1冊の価格は2万円だとしても、「20冊1セット」で販売されているような百科事典は税務上、全巻がそろって効用が発揮されるとみなされ、取得価額40万円として処理する可能性がある。(2016/07/26)