3千万円控除特例

分割後の更地でも認められるケース


 自宅を売却する際は、譲渡所得から最高3千万円を差し引ける譲渡所得の特例を適用することで税負担を大きく減らすことができる。特例は居住用財産の売却を対象にしたもので、家屋が建っていない土地には原則として適用できないが、宅地を分割したことで発生した更地であれば、残りの宅地と合わせて適用することが可能だ。

 

 この例外は、あくまでも居住用財産を売るために土地の分割が必要な場合に限って認められる。例えば家と敷地を売却するに当たって、敷地が広すぎるために買い手が見つからず、敷地を宅地と更地に分けて別々で売却するというケースだ。

 

 分割は敷地全体を譲渡するために必要なものなので、たとえ分割後に一方の土地に家屋がなくても、宅地を対象とした特例を敷地全体で使えるということになる。特例が制定された背景には、自宅の売却で譲渡所得があると言っても売却後には新たな住まいを見つける必要があるため、過大な税負担を負わせるのは酷という考え方がある。

 

 そのため、趣味や保養のための別荘の売却では適用できない。また、特例を受けることを目的に形式的に入居したに過ぎないと税務署に判断されると、特例の適用が認められずに控除分の納税が必要となる。(2020/04/17)