海外に1年以上転勤する予定の人は、出国の翌日から所得税法上の「非居住者」になり、海外で得た給与には日本の所得税は課税されない。
しかし、日本の「居住者」であった期間(その年の1月1日から出国日まで)の所得と、それ以降の日本国内の不動産収入などの所得には課税される。これらの所得に掛かる税務申告書の提出や納税につき、転勤者はいちいち帰国する必要はなく、確定申告を「納税管理人」に代行させることができる。出国時までに納税管理人を決めて税務署に「所得税の納税管理人の届出書」を出せば、納税管理人が翌年に確定申告することになる。
もちろん、その年の1月1日から出国時までの所得について出国前に確定申告(準確定申告)すれば、納税管理人を事前に決める必要はない。ただし、事前に準確定申告をしても、出国日までの所得と出国後の国内不動産収入などの所得につき、翌年の確申期に改めて確定申告をしなければならない。また、海外に出発する日までの国内所得が勤務先からの給与だけの人は、勤務先で年末調整されるので確定申告する必要はない。
なお、翌年以降も日本で所得が発生するときは、それ以降も納税管理人を通じて確定申告する。(2016/12/07)