軽減税率で消費税の滞納増加!?

資金繰りに要注意


 来年10月の消費税増税時には、飲食料品などの税率を8%に据え置く「軽減税率」の導入が予定されている。一部とはいえ税率を据え置きにしてくれる軽減税率は、消費者・納税者にとってはありがたい制度だろう。

 

 しかしその一方で、軽減税率による中小企業の〝リスク〞増大が懸念されている。そのリスクは、消費税の滞納だ。

 

 国税庁のデータによれば、国税の滞納件数はピークだった1992年から減少傾向にあるが、発生額がぐっと増えたタイミングが二度ある。それが消費税率が3%から5%、5%から8%に引き上げられた各時期とぴったり一致するのは、決して偶然ではない。そして三度目の〝山〞が来年10月以降にやってくるのはほぼ確実だろう。

 

 しかも今回は軽減税率があるため、税率は一律ではない。仕入れでは8%の消費税を支払い、売上では10%の消費税を受領するケースがある。当然、その逆もあるわけだ。納税資金に困ることがないよう、日々の資金繰りを改めて見直すようにしたい。(2018/11/27)