試用期間は勤続年数に含まれる?

退職金控除に差が出ることも


 退職金は税法上の「退職所得」に当たり、課税計算上、一部を所得から差し引くことができる。その計算で重要となるのが、勤続年数だ。

 

 退職所得の控除額は、勤続年数20年超なら「800万円+70万円×(勤続年数―20年)」、20年以下なら「40万円×勤続年数」(80万円に満たない場合は80万円)と大きく変わる。勤続年数が長いほど、税金面で得をするわけだ。

 

 では社員を雇う際に会社が設ける数カ月〜半年程度の試用期間は「勤続年数」に含まれるのだろうか。実は試用期間を勤続年数に含めるか否かは法的には決まっていないため、会社が自由に決定してよい。

 

 退職する社員の税負担を考えれば含めてあげたほうがよいだろうが、会社が支出する退職金が増えることを考えれば、含まないようにすることも一つの判断だ。ただし最高裁で、正社員らと同じ職場で同じ業務に就いていたなら試用期間であってもその待遇に差をつけてはならないとの判断が出ていることも覚えておきたい。(2018/05/16)