肩書変えて会社に残留

退職金の扱いは?


 役員が取締役から退き、退職金を受け取ったうえで、肩書きを変えて会社に残ることがある。税務上で注意したいのは、役職名が変わっても実際の仕事や報酬が変わらないのであれば、退職金はほかの所得と比べて税優遇される「退職所得」にはならないことだ。

 

 退職所得にするには、①常勤役員が非常勤役員になること、②取締役が監査役になること、③肩書きが変わった後に給与が50%以上減額されること――のいずれかを満たす必要がある。

 

 ただし、形式的にこの要件を満たせばよいというわけではなく、例えば肩書きを監査役にしても実質的に経営権を持っているままの人の退職金は退職所得とは認められない。

 

 退職金は他の所得と比べて税金面で優遇される。勤続年数が20年以下の人は「40万円×勤続年数」、20年超の人は「800万円+ 70 万円×(勤続年数-20年)」を所得から差し引き、控除後の額の半分に課税される。(2018/06/08)