老後に備えて確定拠出年金

税優遇はあるがリスクも存在


 老後の資産形成を助ける手法として注目を集めるiDeCo(確定拠出年金制度)。最大の特徴は何といっても掛金として払い込んだ全額が所得から控除されることだ。

 

 年金として積み立てた額がすべて控除され、さらに積立金で得た配当や利子も非課税、受給時にも手厚い税優遇が付いてくるというのだからたまらない。とはいえ、うまい話には裏があるのが世の常だ。

 

 iDeCoも当然例外ではなく、さまざまな注意点がある。まずiDeCoには「加入できるのは60歳未満」という年齢上限が設けられている。あくまでも〝老後の資産〟として積み立てておくものであるという理由から、60歳になるまで払い出しも受けられない。途中での払い出しが自由なNISAとの大きな違いといえるだろう。

 

 さらに勘違いしやすいのが、iDeCoはNISAと異なり、退職金として一度に受け取れば退職所得控除、年金として少しずつ受け取れば公的年金等控除という優遇が受けられるものの、所得税自体はかかるという点だ。

 

 iDeCoは年金制度といっても、実際にやることは投資だ。大きく得をする可能性がある一方で、損をするリスクも存在する。老後のために積み立てたお金がなくなってしまう可能性もゼロではない。(2019/04/19)