美術品の損金算入

100万円が境界線


 会社が取得する美術品のうち1点100万円未満のものは、法定耐用年数に応じて減価償却することが可能だ。

 

 金属製の彫刻の耐用年数は15年、絵画や陶磁器、金属製以外の彫刻は8年にわたって損金に算入する。ただし、100万円以上の美術品でも「時の経過で価値が減少することが明らかなもの」は減価償却資産として損金にすることが認められる。

 

 具体的には、会館のロビーや冠婚葬祭場のホール、ビルのエントランスおよびエレベーターホールといった不特定多数が利用する場所に飾る美術品や、移動できず一定の用途にだけ使うことが明らかな美術品が該当する。駅のコンコース内の壁画などもそれに該当するといえる。

 

 美術品の価格が30万円以下なら、全額を一度に損金にできる「少額減価償却資産特例」を適用することも可能だ。1年間に合計300万円までの減価償却資産を一括損金にできる。(2018/07/03)