留保金課税

同族会社を狙い撃ち


 留保金課税制度は、特定同族会社が会社に利益が発生しても所得税を回避する目的で配当を出さず、利益を必要以上に会社内部に保留する行為をブロックすることを目的に制定されている。特定同族会社とは、ひとつの株主グループによる持株割合等が50%を超えている法人を指す。

 

 留保金課税は、「課税留保金額」に「留保金課税の税率」を掛けた金額が課税される。「課税留保金額」は許容額を超える利益で、「留保金額」-「留保控除額」によって計算する。「留保金額」とは、「企業の事業所得」-「社外流出の金額(配当や役員賞与など)」 -「法人税(市町村民税や都道府県税も含む)」のこと。

 

 一方、「留保控除額」は、「所得などの金額の40%相当」「定額基準額2000万円」などの基準額で最も多い金額を使う。そしてはじき出された「課税留保金額」に掛ける税率は、課税対象となる留保金のうち3000万円以下の金額には10%、3000万円から1億円以下は15%、1億円超は20%となっている。ただ、この留保金課税制度では、特定同族会社であっても資本金が1億円以下であれば、留保金には課税されない。ただし親会社の資本金が5億円以上の完全子会社であれば特例の対象から外されることになる。(2018/01/23)