親子間の金銭支出に関する税務では、「生計を一」がキーワードになることが多い。医療費控除や扶養控除といった特例はこの要件を満たすことで適用できる。
この「生計を一」は、同じ家に住んでいる状態だけを指すのではない。子どもが就職などで親元を離れて暮らすときでも要件を満たすことがある。
例えば田舎の親が病気で入院したときに、都会で独立している息子が入院費用を負担したケースで、遠方から親の生計の面倒を見ている状態ならば、息子は医療費控除を受けられる。
生活費の送金が恒常的に行われているのであれば要件を満たす可能性が高い。一方、親が自身の貯金や年金で生計を立てているのであれば「生計を一」にしているとはいえない。(2016/09/01)