消費税の課税期間を短縮

早めに還付も事務負担増


 消費税の還付申告の時期は、個人事業者なら翌年の確定申告期、法人なら事業年度の終了後2カ月以内の期間と決められている。申告後には税務署の確認手続きを経なければならず、還付金を受けられるのは申告からさらに1〜2カ月経ってからのこととなる。そのため事業年度の早い時期に大きな設備投資をすると、その段階で多額の消費税を納めているにもかかわらず、還付されるのは1年以上も先になってしまう。

 

 これは、消費税の課税期間が通常、個人事業者は12月までの1年間、法人は会社ごとに定めた決算月までの1年間とされているためだ。この期間を「3カ月」または「1カ月」に短縮する特例を適用すれば、早期に還付を受けることが可能となる。

 

 12月決算法人が1月に設備投資をすると、通常は翌年の1〜2月に還付申告をした後、つまり設備投資から1年以上経ってようやく還付を受けることになる。しかし課税期間を1カ月にすれば、その年の3月までに還付申告をして、4〜5月には還付金を受け取れる。通常と比べて早く還付されるということになる。

 

 ただし、短縮特例を適用すると当然、消費税の申告・納付を3カ月ごと、あるいは毎月行わなければならなくなり、煩雑な作業を強いられることになる。多額の還付金の早期受け取りのメリットと、事務負担の増加というデメリットを秤にかけて判断する必要があるだろう。しかも、課税期間を一度短縮すると、最低2年間はその課税期間で申告しなければならないので注意が必要だ。(2018/12/03)