日本の納税環境は世界97位

複雑すぎる税制


 税制は簡素であるべきだが、現在の税制は複雑極まりないものとなっている状態だ。企業のあり方や商取引のかたちが多様化しているため、それに対応すべく税法が複雑化せざるを得なかった事情もあれば、期間限定の減税だった租税特別措置があまりに増えすぎたという理由もあるだろう。

 

 例えば法人税だけをとってみても、組織再編税制とグループ法人税制、連結納税の導入によって、20年前に比べて現在の法令集はページの厚みが2倍になっているとも言われる。

 

 世界189カ国のビジネスのしやすさを世界銀行が格付けした「ビジネス環境ランキング」によれば、2018年時点で日本の順位は39位。しかし、その内訳を見てみると、電力事情が全体の22位、不動産登記の容易性が48位、貿易環境が56位などとなっている。しかし、「納税環境」は97位で、全項目のうちで最も低い。

 

 これは税負担そのものよりも、申告納税にかかる様々な手間が煩雑であることを指している。日本企業はビジネスの内容以前に、税務申告に手間とコストを取られて生産性を無駄にしているとも言えるわけだ。日本企業の生産性を上げるのなら、こうした「税インフラ」を整えることも重要かもしれない。

 

 ちなみに「ビジネス環境ランキング」で日本が誇れるのは「破綻処理」で、なんと189カ国中1位となっている。(2019/11/22)