工場見学会の開催費用

不特定多数対象なら損金に


 工場見学会は自社の取り組みや技術、商品などを知ってもらう良い機会だ。学校単位での社会科見学のほか、子連れの家族が〝お出かけスポット〞として訪れることも多く、宣伝効果は大きい。

 

 企業が工場見学会を開催すると費用が発生する。パンフレット代や製品の試飲・試食のための費用、さらには除菌・減菌が必要な工場なら見学者用の防護服のメンテナンス費用なども会社が負担しなければならない。

 

 これらは広告宣伝のために必要な支出であるため、「広告宣伝費」として損金にできる。また、工場までの交通費や宿泊費を会社が負担する「工場見学ツアー」も、広告宣伝を目的としていて、かつ不特定多数に見学させていれば、同様に広告宣伝費として損金にできる。

 

 損金化するには、不特定多数の見学者を対象としていなくてはならない。たとえば医薬品製造業者が医師や病院関係者を対象に開く工場見学会は、相手が不特定多数とは言えないので、広告宣伝費ではなく損金額が制限される交際費となる。同様に、理美容業者を対象にした化粧品業者の見学会の費用も交際費として処理する必要がある。(2018/09/05)