寡婦と寡夫で控除に違い?

同じ条件なら女性は「特定寡婦」


 税法上、寡婦と未亡人は異なる。未亡人は夫と死別して現在独り身の女性を指すが、寡婦は死別のみならず、離婚による独り身の女性も含まれる。そして男性の場合は「寡夫」となり、「離婚や死別の後、再婚していない」「総所得が38万円以下の生計を共にする子どもがいる」「自分の年間所得が500万円以下」という条件に当てはまれば、所得税27万円、住民税26万円の所得控除を受けることができる。

 

 一方、女性は同じ要件であれば、「特定寡婦控除」を受けられ、所得税35万円、住民税30万円が所得控除される。また、子どもがいなくても、寡夫控除と同額の「寡婦控除」が受けられる。

 

 35歳のAさんは、妻が子どもを残して浮気相手と駆け落ちしたのが原因で離婚した。生活は苦しいが、「寡夫控除」を受けることができて少しホッとしたものの、妻側の控除のほうが有利な条件であることを知り憤慨。「これは男女差別じゃないか。あいつは浮気相手と同棲しつつ寡婦控除まで受けているのかもしれない」と。さてさて、男女の賃金格差の大きい日本で、Aさんの怒りは世間の賛同を得られるかどうか。(2017/12/19)