外貨は預金保護の対象外

金融機関が破綻したら…


 45年も前の「デマ」のはなし。ある信用金庫が倒産するという噂が流れ、短期間のうちに20億円もの預金が引き出されてしまった。当時の貨幣価値から考えると、信金が破綻してもおかしくない金額だ。警察の捜査の結果、デマであることが分かったものの、犯罪性はないと判断された。その信金への就職が決まった女子高校生が、友人から「信用金庫は危ない」と言われたことを真に受けて親戚に相談し、それによって噂が広がり、最終的に地域全体を巻き込むパニックを招いたそうだ。「危ない」という発言は、銀行強盗のことを指していたとされる。

 

 当時の法律では、破綻した金融機関から預金者が受け取れる金額の上限は100万円だった。だが現在は、1千万円までは受け取れることになっている。

 

 この1千万円の枠は、金融機関ごとに設けられている。つまり、ひとつの銀行に資金をまとめておくより、複数の銀行に1千万円以内の資金を分散して預けておいた方がリスクが少ないということになる。

 

 ただし、外貨預金は1千万円保護の対象にならないので注意が必要だ。また外国の金融機関の日本支店も対象外となっている。(2018/12/10)