健康保険の被保険者が業務外の理由で死亡したときは、埋葬を行う人に「埋葬料」として一律5万円が支給される。ここにはお悔やみ料も含まれていると考えられていることから、埋葬代金の実費が5万円に満たなくても返す必要はない。
埋葬料を受け取れるのは、死亡した被保険者よって「生計を維持されていた者」とのみ定められていることから、生計を一部でも維持されていれば民法上の親族や遺族である必要はない。また、生計を維持されていたひとがおらず、誰も埋葬料を受けられない場合には、実際に埋葬を行ったひとに「実際に埋葬に要した費用」が最大5万円まで支給される。
埋葬料および埋葬費は、被保険者が会社を辞めるなどして健康保険の被保険者としての資格を喪失した後でも3カ月以内であれば支給される。
健保の埋葬料は一律5万円なのに対し、国保の「葬祭費」は自治体によって最大7万円まで幅がある。そのため死亡した時期や住んでいる地域によっても、もらえる葬式代に違いが出る。被保険者の埋葬料と同様に、被保険者が生活の面倒をみていた被扶養者が死亡すると健康保険から「家族埋葬料」として5万円が支給されるが、こちらも被保険者の資格喪失後3カ月以内なら健康保険からの支給となる。
ただし、いずれも申請しないと受給できない制度になっているので、申請期限(健康保険は2年)を忘れずに請求したい。(2021/01/29)