地方税の減免制度

自治体ごとに申請が必要


 地方税には、自治体によってさまざまな減免制度が存在する。

 

 例えば東京都には、個人事業税の減免制度がある。個人事業税には、国税の所得税のような医療費控除や(特別)障害者控除はないが、東京都では申請に基づいて、高額な医療費の支出があったひとや、障害者を扶養する親族の個人事業税を減免している。また省エネ性能に優れた設備導入には「中小企業向け省エネ促進税制」が適用され、取得価額の2分の1を税額控除することが可能だ。

 

 神奈川県では、一般社団法人や一般財団法人に対して法人住民税の均等割の減免を行っている。非営利型法人で収益事業を行わない場合、申請に基づいて法人住民税の均等割の軽減が可能だ。

 

 その一方で東京都、兵庫県、福岡県では、ホームページに「一般社団法人及び一般財団法人は、非営利型法人で収益事業を行わない場合でも減免の対象となりません」とわざわざ記載してあり、対応が分かれている。

 

 名古屋市などでは、休業法人であれば法人住民税の均等割の減免が可能だ。課税標準の算定期間の末日で6カ月以上引き続いて事業を中止していれば、申請により均等割額の2分の1を減免できる。ただし法人税割が課される法人は減免の対象とはならない。同様のルールは岐阜市や郡上市にもあり、6カ月以上引き続いて事業を休止している法人は均等割額を減免できる。

 

 自治体独自の減免制度は、事業者向けだけでなく個人向けにも多く存在する。例えば富山県では、子どもを生み育てやすい地域社会構築のため、3世代以上の直系親族が同居するための住宅または3人以上の子どもが居住するための住宅を取得すると、不動産所得税の減免措置を受けることが可能だ。(2021/03/31)