土地の値段は「一物五価」

ベースとなるのは「公示地価」


 「公示地価」とは、国土交通省が年1回発表する土地1㎡あたりの価格のことで、土地取引価格の目安となるほか、公共事業用地を買収するときの取得価格算定基準としても利用される。

 

 土地の価格には「公示地価」以外にも、相続税評価の基準となる「相続税路線価」、固定資産税のベースとなる「固定資産税路線価」、都道府県が発表する「基準地価」、実際に売り買いされた際の「実勢価格」などがあり、一つの土地にいくつもの値段が付いていることから「一物五価」ともいわれる。

 

 公示地価を目安に、役割に応じて調整されたものが路線価や基準価格となる。公示地価は1地点につき2人以上の不動産鑑定士が現地を調査し、さらに近隣の土地の売買例や賃貸収入などを基に調整を加えて、国交省の土地鑑定委員会が最終的に決定する。算定方法を巡っては、不動産鑑定士の「ナマ」の評価ではなく最終的に国交省の「調整」が入ることに対しての批判の声もあるようだ。(2018/06/14)