入院時の差額ベッド代

医療費控除の対象になる?


 入院の際に大部屋ではなく個室を選ぶと、通常の入院費用に加えて「差額ベッド」の代金を病院から請求される。差額ベッド代の対象となる部屋は、①ベッド数が4床以下、②一人当たりの面積6.4㎡以上、③ベッドごとにカーテンなどでプライバシー確保、④私物収納設備、照明、机といすの配置――とされている。

 

 厚生労働省によると、差額ベッド代の平均は1日6千円程度。中には1日で30万円以上を請求する病院もある。

 

 確定申告で医療費控除を受けたいところだが、原則として差額ベッドの費用は控除対象にならない。また、健康保険も適用外で、高額療養費などとして補助を受けることもできない。ただし、治療の必要上個室を使ったことが証明できれば、税務署が認めることもある。

 

 「個室の方が静かだから」「プライバシーが守れるから」などといった、患者の希望で個室を選んだケースでは控除対象外だが、治療するうえで個室が必要だった理由を医師が診断書で証明すれば、医療費控除の対象となる場合もあるわけだ。

 

 厚生労働省の規定により、病院に設置できる差額ベッドは全てのベッドの数の最大5割までと決められている。医療費の負担が大きい患者としては、差額ベッドよりも通常のベッドを増やしてほしいところだが、「ここしか空いていない」と言われてしまえば利用せざるを得ないのが実情だ。(2018/08/08)