入湯税は「150円標準」

別府市では500円に引き上げ


 地下から湧き出る水(鉱泉)を利用する浴場がある市町村では、温泉浴場の利用者から一人当たり150円を標準とする入湯税を徴収している。ただし12歳未満、公衆浴場や共同浴場、日帰り客のための1200円以下の施設では入湯税が免除される。

 

 総務省によると、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設、消防施設などの整備に使うことを目的にしているそうだ。2016年度の税収は224億円で、地方自治体にとっては貴重な財源となっている。

 

 入湯税は一律ではなく、「150円を標準とする」となっている。自治体の裁量で幅を持たせてよいわけだ。総務省の資料によると、16年の課税団体は975団体で、うち892団体が150円としている。その他は20円から250円までの12段階に分かれていたが、今年4月からは別府温泉を抱える大分県別府市で条例を改正し全国で最高額となる500円とした。

 

 別府市では19年度の増収を1億7600万円と見込んでいる。同市を訪れた観光客からは「高すぎる」「使途が分からない」という声が上がっているようだが、市では「観光客の安全・安心や快適性を確保する事業、資源量調査など温泉資源保護の事業に活用する」と理解を求めている。日本有数の温泉地での税額引き上げだけに、財源不足に悩む各自治体でも追随する動きが出てくるかもしれない。(2019/09/13)