借上社宅と住宅手当

税務上はどちらがお得?


 借上住宅とは、一般の賃貸物件を企業が借り入れて、その物件を従業員に貸し出す制度のことを指す。一方、住宅手当とは、従業員に対して住居費用の一部を負担する制度だ。

 

 賃料6万円で借り上げた住居を従業員に3万円で貸すのも、6万円の家賃を払っている従業員に住宅手当3万円を補助をするのも、支援の内容は同じようにみえる。

 

 だが、住宅手当は税務上の「給与」となり、さらには社会保険上の「報酬」として保険料の基礎にもなる。つまり同額の支援であっても住宅手当は企業も従業員も負担増となる。

 

 一方の借上社宅も、すべてが税務や労働・社会保険の対象にならないわけではない。貸し出す相手が使用人か役員か、また社宅の規模によって最低限負担する金額が異なる。従業員であれば、賃貸料相当額のほぼ50%までが補助の限界だといわれている。それを超えると給与として課税される可能性が高い。また役員に対するものは住宅の規模によって賃貸料相当額が決められているため、念入りに調べないと給与扱いになるので注意が必要だ。(2019/06/12)