保険料の「相場」はどう決める?

11年ごとに公表「標準死亡率」


 「標準死亡率」という言葉を聞いたことがあるだろうか。標準死亡率とは、過去の統計を基に算定された、年間で死亡する人数や年齢を予測した数値のことだ。生命保険会社が保険料を設定する際には、この標準死亡率を基に契約者の余命や保険事故の発生率などを計算し、利益が出るように保険料を決定する。

 

 死亡率や余命などの統計は、まとめて「生命表」と呼ばれ、大きく分けて厚生労働省が国勢調査などのデータを基に算出するものと、生保各社の契約者データなどを基に公益社団法人日本アクチュアリー会が作成する「標準生命表」に分かれる。生命保険料の算定に使われるのは主に後者だ。

 

 標準生命表は1996年に初めて作成され、11年後の2007年、さらにそれから11年後の2018年に改訂された。最新の18年版によれば、ある年齢まで生きた人が次の1年間に死亡する可能性を示す「死亡率」が1%を超えるのは男性で65歳、女性が73歳だった。年齢とともに死亡率は徐々に上がり、男性86歳、女性91歳で「次の1年に死亡する確率」は1割を超える。

 

 これらのデータから導き出される平均寿命は、男性80・77歳、女性86・56歳とされ、前回の改訂から11年間で男性は2・53歳、女性は1・62歳伸びたことになる。(2020/07/31)