不要な設備を処分したい

費用負担困難ならば「有姿除却」


 廃棄物処理法では、産業廃棄物の適正な処理方法を細かく定めており、事業者はこれに従い責任を持って処理する義務がある。収集運搬から中間処理、最終処分に至るまでの工程は極めて細かく決められていて、処分にかかる費用は増大する一途だ。

 

 専門業者に委託しても各工程で費用が発生し、産業廃棄物管理票を発行するにも費用がかかる。仮に事業所内にあるすべての不要な固定資産を処分するとなれば、莫大な費用を要することになるだろう。

 

 業務スペースを縮小し、固定資産税を負担してでも不要資産を抱え込んでいるのは、ひとえに廃棄に莫大な費用がかかるからだ。こうした費用負担を避けるために業務用資産の処分を見合わせている事業所では「有姿除却」を適用するケースがある。

 

 これは、使わなくなった固定資産について廃棄、解体などを行っていなくても、対象資産の帳簿価額から現況のまま、その処分見込価額を控除した金額を「除却損」として計上できる制度。不要資産を抱え込んでいる会社にとってはなんともありがたい制度だ。(2019/09/18)