不服審査法のルールを再確認

再調査の請求


 行政不服審査法が2016年4月1日に改正施行され、これに伴い国税通則法の不服審査に関する改正規定も同日に施行されている。行政への不服審査手続きなど滅多にあるものではないが、どこがどのように改正されたのかを正しく把握しておかないと、誤った更正や決定を受けたときに自身の立場を守ることができなくなる。しっかりと押さえておきたい。

 

 そもそも行政不服審査法とは、行政庁による「違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為」(第1条)に対して、簡易迅速な手続きによって広く不服の申し立てができるものとして、国民の権利・利益を守ることを目的としている。

 

 大きな特徴のひとつは、違法な処分だけでなく、違法とまではいえないものでも不服申立ができることで、権利救済の間口を広くしていることだ。課税処分等に対する不服申立は、原則として国税不服審判所長に対する審査請求を行い、その裁決を経た後の処分になお不服がある場合に初めて訴えを提起することができる。つまり、課税処分の取消訴訟は、原則として国税不服審判所長の裁決を経た後でなければできない。

 

 改正では、原処分庁に対する異議申し立ての制度は廃止され、それに代って納税者の選択によって原処分庁に対する再調査の請求の制度が設けられた。再調査の請求をした場合は、その決定を経た後、1カ月以内に国税不服審判所長に対して審査請求をしないと、最終的に訴えを提起することはできないことになったので覚えておきたい。また、不服申立期間が処分があったことを知った日の翌日から3カ月以内へと、それまでより1カ月延長されている。納税者にとっては文字通り「改正」と言っていい。

 

 審査請求の審理手続の中に、原処分庁に対する質問権が設けられたことも大きな改正点だろう。ただ、この質問に対して回答の義務は明記されていない。さらに、これまでは原処分庁から提出された文書などについて、閲覧のみで写真やコピーはできなかったが、今回の改正で謄写の請求(有料)ができることになった。審判官の前で必死に書き写した経験のある人からすれば夢のような改正だろう。(2018/12/27)