ネコも減価償却できる?

法定耐用年数は8年


 他人の飼い猫を盗んだとして富山県内の50代の男が窃盗の疑いで逮捕された。調べに対し男は容疑を認め「猫は死んだので捨てた。猫をケージに閉じ込めて十分なエサを与えず棒でたたくなど虐待を加えて死なせた。ニャアニャア鳴いているのを聞いて楽しんでいた」などと話しているという。

 

 動物愛護法では動物の生存権を尊重する視点から野良犬や野良猫を殺傷・虐待した場合の懲役や罰金刑を定めているが、刑法上の「窃盗」では、動物は「器物」として把握される。また民法上は「生命のある動産」として扱われる。つまり、電車に置き忘れれば遺失物、殺害すれば器物損壊ということだ。

 

 かつて、宗教法人が行うペット葬祭が収益事業に当たるかどうかが争われた事件があり、最高裁は法人税を課した税務署の処分を認めた。なお、猫は税務上「器具及び備品」となる。ペットショップでは当然ながら商品として資産計上できる。また、ペットショップ以外の事業者が飼っている動物は償却資産とすることができる。その場合、耐用年数8年で減価償却する。

 

 ポイントとなるのは「事業の用に供しているか」という点だ。猫に集客効果があると税務署が認めれば、紛れもなく「事業の用に供している」ことになる。(2019/08/19)