カルテル違反で罰金納付

外国に支払ったものは損金?


 企業同士で販売価格や生産数量に関する協定を結ぶ「カルテル」行為が発覚し、行政の命令で会社が納付する罰金や課徴金は、税務上の損金にできない。罰金が損金にできてしまうと、違反行為に対する制裁効果が薄まってしまうためだ。

 

 これは、日本の独占禁止法による課徴金だけではなく、外国の政府や地方公共団体、国際機関が納付を命じる独占禁止法の規定による罰金でも同様の扱いとなる。

 

 平成21年度税制改正以前は、日本の独占禁止法による課徴金や延滞金は損金不算入とされる一方で、外国の政府や地方公共団体に課される制裁金は、刑事訴訟手続を経ないものは損金算入とされていたが、不均衡であるとして見直された。

 

 昨年来、米司法当局による日本企業を標的とする自動車部品カルテルの摘発が続いている。矢崎総業に564億円、ブリヂストンに510億円といった巨額の罰金が科せられている。(2016/09/24)