子会社に対する債権を放棄

寄付金にならないケースとは


 グループ企業であれば、業績不振の子会社を親会社が救済することもある。しかし、親会社が子会社に対してその債権を放棄したり、債務を丸々引き受けたりしてしまうと、子会社への単なる利益移転とみなされて寄付金の扱いとなり損金計上できない。

 

 そもそも業績不振の子会社の再建をするなら、親会社は債権を棚上げした上で子会社の業績を回復させた後、回収するのが一般的と考えられる。子会社の整理にあたって損失負担の必要性を判断するポイントは、①債権放棄の相手が事業関連性のある子会社であるか、②その子会社が経営危機に陥っているか、③債権放棄を行う支援者が損失を引き受ける理由があるか――などとなっている。これらを満たせば寄付金には該当しないものとされている。

 

 つまり、経営危機にある子会社を支援しないと親会社自身が不利益を被る場合には、「寄付金とはしないでおきましょう」ということだ。(2017/06/22)