駅前や商店街に1店はあった「街の本屋さん」が消えつつある。90年代の終わりには約2万2千店あった書店だが、17年5月の時点では約1万2千店にまで減少。スマホの普及で書籍・雑誌が売れなくなったことに加え、アマゾンなどネット書店の圧倒的な販売力によって苦戦を強いられている▼最盛期に6万カ所以上あったガソリンスタンドは、ハイブリッドカーや電気自動車の登録が増えたことで約3万カ所にまで減っている。地価・地代が高い都心部で給油所を探すのは一苦労だ▼郵便局は約2万4千ある。ATMの設置数ではセブン銀行の約2万3千台に対して、ゆうちょ銀行のそれは約2万7千台。民営化されたとはいえ、もともとは郵便貯金。かんぽ保険の強引な勧誘ともあわせて、民業圧迫だといわれても仕方がないだろう▼コンビニエンスストアの店舗数は約5万8千。開業歯科診療所はそれよりも多く、約6万8千ある。当然、虫歯治療だけではやっていけない。インプラントや審美歯科などの多様な専門分野に取り組むほか、24時間営業の必要性が問題となっているコンビニ業界とは正反対に、24時間診療を取り入れる歯科医院も存在する▼多様性と「開いててよかった」の便利さ。医療サービスのコンビニ化が進んでいるようだ。